サラリーマンのための5G技術とは?
5G(第5世代移動通信システム)の技術について、技術者でなくても、これだけは知っておこう!5Gで知っておきたい技術は、New Radio(NR)、Massive MIMOです。これらを簡単にまとめてみた。
5Gの特徴
- 高速大容量
- 高信頼・低遅延通信
- 多数同時接続
簡単に言ってしまえば、通信速度が速いということです。通信速度が速くなることにより短時間でたくさんのデータが送れるようになります。
高速大容量になると、4K動画などきれいな画像が送れるようになります。通信速度が速くなることによって遠隔での作業も容易になります。
通信速度を速くするための技術についてまとめてみました。
高速通信の実現
New radio
4GではLTEという通信方式が使われていましたが、5GではNew Radioという方式になります。5G NRといわれます。
LTEとNRの違いは、無線通信区間の帯域幅に違いになります。LTEの最大帯域幅が20MHzに対してNRは最大400MHzから1GHzくらいの帯域幅になります。
帯域幅が広いといううことは、一度に送る量が多いということになる。データが2列で送られてくれば、2倍だが、10列で送られてくれば10倍の転送量となるイメージです。
実際の通信速度は、無線環境やユーザー同時接続数により大きく変わってくる。技術書などに書かれている数値は、最大値を理論値で割り出しているので計算上の結果なので、実際に測定した速度とは変わってきます。
帯域幅が広く使えるということは、高い周波数を使用しているということになります。
日本は5G用に3.7GHz/4.5GHz帯、28GHz帯と非常に高い周波数を使っています。
降雨減衰
周波数が28GHz帯になると波長も短くなります。波長が短くなりすぎると大雨が降ったときに雨粒が電波をさえぎり、通信ができなくなる現象が発生します。
周波数が高くなると降雨減衰という弊害があることも覚えておいたほうが良い豆知識です。
Massive MIMO(マッシブ マイモ)
Massiveは巨大なという意味で。MassiveMIMOは大規模MIMOということです。
MIMOというのは、複数のアンテナを使用して送受信を行う方式です。LTEの場合は、2本または4本使用して通信を行います。LTE Advancedでは8本のアンテナを使用して通信を行っています。
MassiveMIMOになると数十から数百のアンテナを利用して通信を行います。しかし、数百ものアンテナを同じところに設置できないので、1枚の板に数百のアンテナ素子を並べてアンテナを構成します。
1か所に多数のアンテナ素子が密集していることにより、超多素子アンテナといわれています。
さらにアンテナ素子を制御することにより指向性をコントロールすることができます。
トラフィックの多い方向にアンテナの指向性を変更することができる。これをビームフォーミングといいます。
※MIMO:multiple-input and multiple-output
OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)
日本語では、直交周波数分割多重です。デジタル信号の変調方式です。
WiMAX、LTE、地デジも同じ方式で通信を実施しています。
OFDMを文字で説明するのが難しいので、Wikipediaを参照願います。
VoLTE(補足)
LTE、5Gは無線区間、基地局とスマホの間、の改良により高速通信を実現しています。
ここ数年VoLTE(ボルテ)という言葉を聞いたことがありますか?VoLTEは無線区間とは別の話なので、補足しておきますね。
VoLTE以前は、基地局と携帯電話は、音声とパケットは物理的には同じであるが、他のルートで通信していました。
VoLTEになったことにより、基地局とスマホの間はパケットの通信しかしていません。
スマホの中で音声をパケットに乗せ換えて、パケットのみで通信しています。IP電話と同じですね。
VoLTE = Voice over LTE
ローカル5G
5Gにはローカル5Gという使い方ができる。ローカル5Gとは、企業や自治体が局所的に5Gシステムを構築するものです。
ローカル5Gを有効的に使えるのは、工場があげられる。ロボットやセンサーを無線で制御するような場所で有効的に使われます。
今後、広い農場でトラクタ、田植え機などを自動運転で使用するような環境でも有効に使えます。
まとめ
- New radio
- Massive MIMO
5Gのメインの技術は、この2つです。言葉だけでも覚えてくださいね。
LTEと比べて、より広い帯域幅で通信している。複数のアンテナを使用して通信をしているということです。
- ローカル5G
ドコモ、au、ソフトバンクとは別に企業や自治体で5Gシステムを構築できます。
あくまでも自社工場内、自治体内という狭いエリアでのサービスです。
大企業であればイントラネットなど構築できますが、自治体とかでネットワークを組むのは難しかったのですが、5G登場とともに構築可能となります。
いかがだったでしょうか。サラリーマンによるサラリーマンのための5G技術の解説は難しかったです。
もっと知識を深めたい方は、書籍を読んで勉強してみてください。